デジタル文字が持つ特徴について

デジタル文字の印象

本来、文字の役割は「情報の伝達」です。

 

自分の伝えたい事柄が、相手に伝われば文字は役割を果たしたと言えます。

 

情報を伝えることだけを考えれば、安定して崩れない文字を出力できるデジタルが圧倒的に有利です。

 

しかし、文字には情報を伝える効果だけではく、感情の変化を起こす力があります

 

全く同じ内容の文章でも文字の形式が違えば、それを見た人によって、嬉しい、悲しい、むかつく、などさまざまな感情の変化を起こさせます。

 

誰もが好意的なラブレターや手紙をもらったら、嬉しい気持ちになりますよね。

 

それが、デジタルで書いたラブレターと、手書きで書いたラブレターの場合、手書きで書いた方が嬉しいと感じる人の方が圧倒的に多いと思います。

 

それどころかデジタルで書いたラブレターの場合、本来好意的であるラブレターが、嫌な気持ちで受けられることもあります。

 

同じラブレターでも、デジタルと手書きで何故こんなにも受け手の気持ちが変わるのでしょうか。

 

デジタル文字は冷たい

 

デジタル文字は基本的に冷たいという性質をもっており、素っ気なさや味気無さ、人間性が感じられないといった印象を受けます。

 

手書きは人が直接文字を書いているのに対して、デジタル文字は電子機器から出力される文字なので、人間性がないと言われるのも分かるでしょう。

 

では、なぜデジタル文字は冷たく感じられるのでしょうか。

 

画一的で特徴がない

 

デジタルで出力される文字は、画一的で特徴がありません。

 

文字のはらいや字間など全てが調整されて統一しており、誰が入力しても全く同じ文字になります。

 

デジタル文字は可視性だけを追求しているので、無駄な要素はすべて省かれており、文字に面白みが欠けて個性がなくなっているのです。

 

対して手書きの文字は1万人に同じ文字を書かせても、大きさ、形、筆圧、腕の振動など色々な要素が人によって異なりますので、似たような文字は書けても全く同じ文字は書けません。

 

もっと言ってしまえば、同じ人でも前に書いた文字と全く同じ文字を書けと言われても不可能でしょう。

 

デジタルでも何百種類ものフォント機能によって、いろいろな文字の表現は可能ですが、どんな表現も可能な手書きの自由度に比べれば個性は乏しいです。

 

メディアの違い

 

ここで述べるメディアとは、インターネットと人間のことです。

 

デジタル文字には特徴がない以前に、実はインターネットという媒体自体が冷たい印象を抱かれています。

 

パソコンやスマートフォンが普及され、人々の暮らしは随分と便利になりました。

 

今まで手書きで苦労して1時間かけて作成した文章も、パソコンを使えば簡単に10分ほどで作成することができます。

 

便利になったことで人々の負担も減り、作業も前よりは楽になりましたが、場合によっては楽をしているとも捉えられることがあります。

 

同じ作業でも、一方が手書きをで時間をかけて作っているものを、もう一方がパソコンを使って簡単に作っていたら、手書きで作業をしていた人にとっては楽をしていると思われます。

 

楽をしてるということは、やる気や熱意がないとも受け取られ、結果的に冷たい印象を抱かれます。

 

本人には冷たい対応をしている自覚はなくても、人によって考え方や信念は異なりますので、残念ながら相手によっては悪印象に思われることもあるんです。

 

手書き文字の印象